たぬきろく。

人生フリーダムで何が悪い。

社会人と学生では、“手みやげ”の意味が変わる!?(たぬき、ライター養成講座提出課題改訂版)

 

f:id:saifai-papiko:20151008214639j:plain   芸能マネジャーとして働き始めて1年目、先輩に言われて困惑した一言がある。「現場に持っていく、5000円くらいの、菓子折り買ってきて」。  


 まず、菓子折りってなんだ。一時期ネットで「後輩に菓子折り買ってこいって言ったら、コンビニの駄菓子大量に買ってきやがった!」というツイートが話題になっていたが、それが間違っていることくらいはわかる。その辺のコージーコーナーとかで焼き菓子詰め合わせを買えばいいのか? だが、手渡す相手は芸能人だ。そんなものでいいのだろうか。ぐるぐる悩む私に、先輩は1カ所、お勧めのお店を教えてくれた。 


 それ以来、何かあるたびにそこで菓子折りや手みやげを済ませていたが、さすがにバリエーションに欠ける…と思い購入したのが、今回紹介したい『東京 五つ星の手みやげ』(岸朝子/東京書籍/1,523円(税別))だ。和菓子系を中心に、個別包装になっているものや食事系も載っており、とても役に立った。ちなみに、抹茶のPRをしていた時は、マスコミの方に会う時に、その商品に合うお菓子(和菓子や、今はやりのスイーツ)をセットでお渡ししていた。その方が、商品の魅力が伝わるとともに印象に残ると思ったからだ。

 

 私が頼りにしつづけている本書は新装版も出ており、情報が新しくなっている。ページ構成は都内の地域別に分かれ、見開き1ページを使ってお店の情報を紹介している。地図も載っているため、この本さえあれば今いる場所の近くの名店に買いに行ける。なにより、3000〜5000円の、手頃な価格帯の商品に絞り込まれているのもありがたい。さらに、「社長さんが相手だから高級感が必要だ」「あの会社は何人くらいだったな」「女性が多かったな」「担当の◯◯さんは甘党だったな」など、相手の人数や好きなもの・状況を想像し、お店を選択できるのだ。

 

  取引先に渡すようなお菓子を売っているお店なんて知らない、はやりのお菓子なら知ってるけど…という人ほど、是非『東京五つ星の手みやげ』を読んでみてほしい。 “ちょっとした心配り”で相手の心象は変わる、それを実感できるかと思う。

 

 手みやげを購入する機会は、社会人になると嫌でもやってくる。取引先へのご挨拶やお詫び、協賛先への差し入れ、プライベートでは結婚のご挨拶など…その時が来てから慌てても遅いのだ。「あいつ、出来るな」と先輩に思わせる品を、本書を見ながら実際に探してみてはいかがだろうか。

 

 なお、本書は全国版も出ているので、出張が多い人にもおすすめしたい。ただし、まるで辞書のような分厚さなので、そこだけは注意してほしい。


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この本を書かれた、岸朝子さんが9月22日、

お亡くなりになられました。

ご冥福をお祈り致します。